
A子さんからこんなご質問をいただきました。よくあるご相談なので一緒に解決していきましょう。
もくじ
困っているのは誰?を明確にする








ポイント
まず最初に「困っている」のは誰か?を明確にします。困っているのは「実家の両親」でしょうか?それとも「私」でしょうか?こういうご質問の場合、大抵は困っているのは「私」の場合が多いですね。
両親は探し物をしたり、不便そうにしているけど本人たちの口から、片づけたいという話は出てこない。「片づけたらどう?」という話を切り出しても「そうね、そのうち」「べつに困ってないからいいの」「放っておいて」と拒否されてしまう。片付いていた方がいいのは両親も分かっているのに「今すぐ」やらなくては!という緊迫感もない。
そうすると、困るのは「私」ですね。このまま親がいなくなったら後片付けをするのは誰?怪我をして動けなくなったら介護するのは誰?と自分の身に降りかかってくるかもしれないことを心配になります。また、これまで苦労してきた分残りの人生を少しでも快適な生活を送って欲しい、という気持ちにもなりますね。
しかし、ここで大事なのは住んでいる本人たちが「片付けたい」という言葉を発することなんです。困っていない(と思っている)人に、助けてあげると言っても、余計なお世話状態。どうせ何でも捨ててしまうんでしょ?そんな目で見られます。ご両親から「片付けを手伝って欲しい」と言われるまで、手を出さない。これがベストです。
具体的な困りごとを引き出す

それでは両親の行動をよく観察してみてください。どこに、何があって、何を探しているのか?探しているモノが分かりやすいように1カ所だけ、ちょっと工夫してあげるんです。ラベルを貼ってあげるだけでもいいですね。そうすると、とても喜ばれますよ。喜んでくれたら「別の場所もお願い」と言われる可能性が高まるんです。

ポイント
足元を広くしてあげたりほんの些細なことでかまいません。勝手に捨てたりしないよ!というパフォーマンスも大事です。どんなにゴミに見えるモノでも、相手からの「お願い」が出るまで勝手に整理したり捨てるのは我慢しましょう。
相手を変えたい!こんな気持ちがあるとなかなか上手く行かなかったりします。
「こんなもの取っておいても使わないでしょ!」「これはもう捨てなよ!」と上から目線で言うのは絶対NGです。本人の「変わりたい」が出るまで「今のままでもいい」と腹をくくることも大事です。
まずは対話からスタートする
いきなり最初から本題に入るのではなく、何気ない会話から糸口を見つけてみませんか?
例えば「最近何かハマっていることは?」「普段はどんな風に過ごしているの?」「どんな人と会ってるの?」など日常的なお話からコミュニケーションを取っておくことです。自分が正しい、という気持ちは言葉にしなくても相手に伝わってしまうものです。
仮にも自分を育ててくれた両親には尊敬と感謝を込めて接するのがマナーです。
ちょっとした対話から「この前〇〇がなくて探していたら・・・」とか、「ないと思って買ったら家にあった」なんていう会話が出てきたら、その時に「そういうことってよくあるの?」「もし困っていることがあるなら協力するよ」と声をかけてみましょう。
絶対片付けるべき!と強く思っても、相手の意思のないところにうまくいくことはありません。普段から親子関係をよくしておくことが、早期解決のポイントにもなります。
素直に「私、このままじゃお父さんとお母さんがどうなっちゃうのか心配してるんだよ」とか「これまでいろいろ大変だったんだから、これから先は楽しく快適に暮らしてほしいな」というような気持ちを伝えてみるのがいいでしょう。言われた方も嫌な気分はしないはずです。
ポイント
物事は言い方次第で良くも悪くも変わります。まずは人を動かしたいと思う前に良好な人間関係を気づくところからスタートしましょう。
最悪と最高を想像する
会話の中から「もしこのまま家の散らかりがひどくなっていったらどうなってしまうか?」という最悪のケースと「もし家がすっきり片付いて毎日快適に過ごせたら?」という最高(理想)のケース、両方を想像してもらうことができれば一歩踏み出せるかもしれません。
具体的に最悪の場合、最高の場合、どうなってしまうのか、そうするとどんな気持ちになるか想像してもらった上で「じゃあ、どうしたい?」と問いかけてみるのはかなり効果があるはずです。
片付いてすっきりしたほうがいいに決まっている、それでも一歩が踏み出せない!というなら何があれば行動できるのか?を探りましょう。
人は何かが「ない」と感じていると行動ができません。その「ない」と思っているものを明確にすればいいのです。もしかしたらそれは「時間」かもしれませんし、「体力」かもしれません。「お金」や「知識」「行動力」「決断力」かもしれません。
これがあればできる!というものをまずは引き出しましょう!あなたが提供できるものでそれらを補うことができればきっと一歩が踏み出せるに違いありません。
ポイント
行動の足かせになっていることを明確にするために「どうしてできないと思っているの?」と質問してみましょう。反対に「何があれば行動できるようになると思う?」という質問も有効です。
【まとめ】一方的に自分の考えを押し付けない
親の片付けの基本はコミュニケーションです。第三者が人を動かすためにはまず自分が変わることが先です。自分の正しさよりも、相手の気持ちを考えて寄り添ってあげる姿勢が大事だということを忘れないようにしましょう。
どうせ言っても分からないだろうと決めつける前にまずはできることからスタートしてくださいね。