片付けたいけど捨てられない!そう悩んでいる人がたくんさんいます。家が散らかってしまう原因の多くはモノが多く収納の中に入りきらなかったり、ゴチャゴチャしてしまう。これが片付けのお悩みナンバーワンです。
もう長らく使っていないもの、これから使う予定がハッキリしないモノなど今の自分の暮らしとは関わりが薄いモノ、なくても困らないモノをさっさと捨てられたら、みるみるうちに部屋は片付きます。
しかし、それができないから進まない、と悩んでしまう。実際の行動に繋げることができないのだとしたら、どうしたらいいでしょう?まず「捨てられない」思考のメカニズムを知ることで解決の糸口が見えるかもしれません。
もくじ
捨てられないのではなく捨てるのが嫌
「捨てられない」と言葉で言いますが、身体的にモノをゴミ箱に入れることができないという人はあまりいないでしょう。ほとんんどの人は鼻をかんだティッシュペーバーなら躊躇なくゴミ箱に入れることはできると思います。
「捨てられない」というのは「捨てる」という行動ができないのではなく、捨てようとすると「嫌な気分になる」ということが本当の「捨てられない」原因なのです。「捨てるのが嫌」「捨てたくない」感情が強いので、「捨てられない」と思ってしまうのです。
捨てることに対するマイナスイメージ
「捨てる」という言葉を聞いてどんなイメージを頭に思い浮かべますか?
これまで1,000人を超える片付けが苦手という方々に整理収納についての講義をしてたくさんの人にこの質問してきました。「捨てる」という言葉に対するイメージ・印象を聞くと以下のような答えが多く聞かれました。
- さみしい
- 別れ
- 二度と手に入らない
- もったいない
- 切り捨てる
- 罪悪感
- 暗い
- 冷たい
- 重い
・・・などなどマイナスな言葉が続きます。
いっぽうで「捨てる」をプラスに捉える人もいます。
- スッキリ
- 新しい生活
- 気持ちいい
- 楽しい
- いい気が流れる
- 再生する
- 循環
・・・・などプラスのイメージを持っている人もいます。ちなみに私はプラスに捉えることの方が多いですが、それでもマイナスイメージがない訳ではありません。
自分が「捨てる」ということをマイナスイメージに捉えていると、どうしても「嫌なこと」と受け止めてしまいなかなか捨てられません。
そのイメージはどこから来たのか?
捨てるに対するマイナスイメージがあることが分ったら、そのイメージがどこから来たのか?考えてみませんか。過去に遡ってみてください。いつ頃から捨てる事に嫌だなと思いはじめましたか?小さい頃(幼稚園や小学校低学年頃)の時はどうでしたか?
子どもの頃から捨てるのが嫌だったという方もいます。小さい頃、捨てようとすると親から「もったいないから取っておきなさい」と叱られたり、「無駄にするんじゃない!」と言われてモノを取っておくことがいいこととして教えられた、という人もいます。
親が捨てずに何でも取っておく人だと、子どもも自然と「こういうモノはとっておくものだ」という価値観を持ちやすいでしょう。
反対に親がじゃんじゃん捨ててしまい、自分のいない間に自分の大切にしているモノを捨てられてしまった!という記憶がある人もいるかもしれません。捨てられて嫌だった経験から、自分はモノを捨てないという選択をしたという方もいます。
モノとの関わり方に大きく影響しているのが、幼少期に自分の周りにいた大人です。両親、祖父母、学校の先生、兄弟などとの関わりから自分の考えや価値観は形成されやすいです。
親に弟や妹の世話などを頼られていた長男、長女などは「役に立つこと」を大事にしているので、モノも「役に立たせないといけない」と思ってしまい、まだ役立てていないモノ(使い切ってないモノ)を捨てられずに取っておく、というケースも多々あります。
モノは自分の気持ちの投影であることも多く、モノとの関わり方が自分の価値観を教えてくれています。
情報系のモノを多く持ちたがる人は「知識が多い」ことに価値を置いています。人からもらったモノが捨てられない人は「人からの目」が気になっていたり、人の好意を無駄にすることを悪いことと思っているかもしれません。
何が一番嫌ですか?
捨てる事に対するネガティブなイメージが出てきたら、それらを一度紙に全部書き出してみましょう。そしてその中で「何が一番嫌なのか?」を考えてみましょう。
例えば、もったいないと感じてしまうことが一番嫌なのだとしたら「もったいない」とは具体的に「何についてもったいない」と感じているのかを探ってみましょう。
- もったいないのはそれを買うのに使ってしまったお金ですか?
- その買ったモノをその価値の分だけ使い切った気がしないことですか?
- モノを充分に活かせなかったことが嫌だったのでしょうか?
自分が何を一番嫌だと思っているのか、分解して具体的に理解することで、自分の中の「本当はこうしたかった」「こうだったら良かったのに」という感情が出てきます。感情が出てきたら、その感情を認めてあげて、それを出来なかった自分を許してあげましょう。
ここまで自分の感情が理解できると次にモノを買う時、何を気をつければいいのかが分るようになってきます。買う前に本当の目的を理解して、モノを吟味すること、長く使えるモノを選ぶこと、本当に使うモノなのかどうかなど後悔しないモノとの付き合い方に繋がっていきます。
「捨てる」は前進すること
もしもあなたがスッキリした部屋で快適な暮らしをしたい!と思っているなら「捨てる」はこれからの新しい未来(の生活)に向かって前進していくイメージを持ってみてはいかがでしょうか。過去にケリをつけて前に向かって進んでいくイメージはどうですか?捨てる事をプラスのイメージに書き換えることができれば捨てる事も段々と嫌なことではなくなっていきます。
捨てられない自分からスッキリした部屋で暮らす新しい自分になりたい!そう思うなら、今までと同じ選択をしていたら変わりません。
「変わる」というのは、今までと違う行動をする、ということです。
いつもなら取っておく使いかけのモノを思い切って捨ててみる、など、行動を変化させてみる。そしていつもと違う選択(捨てる)をできて、さらにそれが定着してくれば片付けはどんどん片付けが進んで行くことでしょう。実際に行動してみてモノが減っていき空間を取り戻していく気持ちよさを実感していくと段々とモノを減らして行くのが楽しくなっていきます。
しかし、それができないから悩んでいるんだよ~って人は、潜在意識にある抵抗が強い可能性があります。捨てると自分にとって都合が悪いことがある、と潜在意識が訴えています。そこを改善するためには心理的なサポートやマインドブロックの解除などが必要でしょう。(※私はマインドブロックバスターの資格を使ってお手伝いしています)
捨てられないの裏にあなたの大事にしたい価値観がある
捨てられるものと捨てられないモノを比較してみてください。
違い=あなたが大事にしたい価値観です。
例えば安いモノは捨てられるけど、高かったモノは捨てられない、という場合、違いは「金額」、つまりお金ですよね。この場合「お金」に価値を置いているんだ、ということが分ったら、それでは自分が「本当にお金を大事にしているのか?」考えてみましょう。
自分のお金の使い方は、大事にしている使い方ですか?
高いモノを買ってももったいないからと使わないのであれば、それはお金の使い方としてどうなんでしょう?安いからと、安いモノをたくさん買って使わなければどうでしょう?自分の中に自分の理想としない行動をしている部分がありませんか?本当にお金を大切にするってどういうことでしょうか。
自分で買ったモノは捨てられるけど、人からもらったモノは捨てられない、という場合、違いは「他人が関わっているか(人の気持ち)」ですね。
この場合、人が自分のために何かをしてくれたことに価値を置いている、ということが分ったら、そのこととモノを捨てずに取っておくことがイコールなのかを考えてみましょう。
また、自分がこれまでに人にあげたモノはどうでしょう?いつ、誰に、何をあげて、相手が今もそれを使い続けてくれていないと嫌ですか?見張っていますか?それを捨てたら自分の好意を悪意があって踏みにじったと感じますか?
捨てたら人にどう思われるのか?嫌な人、冷たい人、薄情な人など、思われるのではないか?という恐れや不安がありませんか?「いい人にみられたい」という思いが人からもらったモノを捨てずに取っておくことに繋がっていませんか?潜在的な思考が繋がって行動になるのです。捨てると嫌な気持ちがするという裏にはいろいろな自分の思い込みがあることが分りますね。
どうしたいですか?
片付いた部屋で気持ちよく暮らしたい。その一方で、捨てるくらいならこのままでもいい。そういった想いが自分の心の中にせめぎ合っているかもしれません。そんな時は「私はどうしたい?」「それは本当にそうしたい?」という質問を繰り返していくしかありません。
自分が納得いく形でモノを手放して行くことができればお部屋はどんどん片付いていきます。お部屋の整理は、頭の整理にも繋がります。実際に片付けて行くうちに頭が整理されてくることもありますし、頭が先に整理されないと行動ができない、という人もいます。どちらが正解というわけでもありません。自分がどうしたいのか?このままだったらどうなるのか?もし、問題が解決して理想の状態になったとしたらどんな生活になるのか?など考えて自分に合った方法を見つけて欲しいと思います。
まずは、捨てられない、捨てると嫌な気持ちになる原因を見つめてみると一歩踏み出せるかもしれません。捨てられない人は自分の感情と向き合ってみることをお勧めします。